Interview

近藤氏と遠藤氏

いわき市のアトリエにて(左から近藤氏、遠藤氏)

福島の郷土で育つ感性と器に対する情熱

近藤さんから震災前と震災後の環境の変化や今現在の活動についても幅広くお話を伺うことができました。私も福島県南相馬市に生まれ、近藤さんの旧窯元があった浪江町という地域はなじみの深い地域であり、お話のなかに当時の地域の情景が浮かぶようでした。

また、少年野球の監督をされていたという意外な一面がある近藤さんとは、私の高校生時代のクラスメイトが教え子だったという共通の話題もあり人のつながりというものは縁があるなと強く感じました。

お話を伺うなかで、最もひきこまれた部分は「器がもたらす人との関係性」についてでした。

近藤さんご自身も日本酒が大のお好きな方であり、全国各地での個展などをされていることもあり、方々の著名な方たちとも交友関係がありお正月やお盆などの時期には、全国から希少な日本酒が送られてくるそうです。

また近藤さんは大堀相馬焼の窯元です。日本酒がお好きな方が日本酒の味を最大限に引き出す器をつくったとしたら。。。もしかすると器で日本酒の味が変わるのは本当か?という方もいらっしゃるかもしれません。

日本酒好きが作る酒器

近藤さんがおっしゃっていた言葉で印象深いのは「器が日本酒を選ぶ」という言葉でした。実際に口にする間口の角度や厚みが異なる酒器数種類に、同じ銘柄の日本酒をいただくことができました。

近藤さん曰く「口にふれる陶器の厚みや素材感、さらには口内にながれこむ日本酒の角度によって舌に日本酒が触れる角度が微妙に変化する。」ほんの数mmの厚みの違いによって、味わいに変化をもたらすことを実感させていただくことができた貴重な機会となりました。

生かすも殺すも、器次第。器という目にみえる「かたち」が繊細な日本酒の味を一味も二味も変化させるということ。人との接点になる器がいかに大きな要素をもっているか伺える瞬間でした。私自身も普段のお仕事でWebコンテンツ設計やクリエイティブな制作のお仕事をさせていただいており人とデザインの接点を日々考えされられている立場であり、大変興味深いお言葉でした。

素材そのものが持つポテンシャルを余すことなく引き出し、触れる人々へ届けることができるか。それは近藤さんが300年以上も続く窯元で伝統を継承するお立場で考えられ行動されてきた、血が通った想いを感じることができます。ぜひこの機会に近藤さんがお造りになられた器を手にとり、ご自身の肌感覚で感じていただきたいと思います。

(この続きは、福島美味紀行ブログに掲載をしていきます。どうぞお楽しみに。)

福島美味紀行ブログ
近藤氏と遠藤氏